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■「だ」の用法の違いを見分ける問題を子供にわからせることができません。

次のようなご質問をいただきました。

YTテストの今回の範囲で「だ」の用法の違いを見分ける問題を子供にわからせることができません。

そもそも形容詞と形容動詞の違いがよくわからない上に、

日本国憲法が大事にしているのは平和だ。というときの「だ」(断定ですよね)と、今の日本は平和だ、というときの「だ」(形容動詞の一部)が違うというのが理解不能なようです。

先生のブログで小さいと小さなが違う話を読みました。子供と考えていて私もわからなくなってしまったんですが、「私きれい?」とか言うけれど、きれいって形容動詞ですよね?

自分でも形容詞と形容動詞を混乱している気がします。静か、とか語尾にいがつかなければ迷わないのですが…

塾でも説明なしに「だ」の区別の問題と解答を与えられただけで、学校でも文法は教わりません。別に急ぎませんので、どう考えたらよいか教えて頂けないでしょうか。

私の回答は次の通りです。

ご質問ありがとうございます。

 1、日本国憲法が大事にしているのは平和〔だ〕。
 2、今の日本は平和〔だ〕。

この違いでいいでしょうか?

難しい

この2つはかなり難しいと思いますよ。
中学3年生の「紛らわしい品詞の識別」レべルですね。

私が塾につとめていたときによく使っていた「識別に注意する語」という
中学3年生の受験直前用のプリントがあるのですが、
そこにも次のような問題が載っていました。

 1 人類が求めているのは世界の平和〔だ〕が、その実現は困難〔だ〕。
 2 今がどんなに平和〔だ〕といっても、戦争の危機が去ったわけ〔で〕はない。

きっと中3生でも半分はできないでしょう。

この判断の決め手は1の例文にある「日本国憲法が大事にしているのは・・・」の
「の」なのです。

だれもそんなことには気づかないですよね。

これは「日本国憲法が大事にしている〔もの〕は」といえて、
名詞の働きをしている「の」なのです。

話がそれますが、「の」には
  
 1 主語の「の」
 2 修飾の「の」
 3 同格の「の」
 4 名詞の働きの「の」

と4つの用法があります。(「並列」というのもありますが)

1の例文にある「の」は名詞の働きだから、主語述語は

 日本国憲法が大事にしている〔もの〕は平和という〔もの〕だ。

と言い換えられるのです。

「平和という〔もの〕」だったら、この「平和」は名詞だと判断がつくのではないでしょうか?

もう一つ例をあげると、

  ぼくが今、会いたいのはタケシくんだ

という例文だったら

  ぼくが今、会いたい〔人〕はタケシくんという〔人〕だ

と言い換えられて、

「タケシくんという(人)」だったら、この「タケシくん」は名詞ですよね。

だとしたら、それにくっついていた「平和だ」の「だ」や、「タケシくんだ」の「だ」は助動詞となります。

ここまで理解していただけるでしょうか?

次に2の例文ですが、これを上の1と同じように考えて

  今の日本は平和というものだ。

とすると、これは明らかに変ですよね。

「日本は平和というものだ。」といっていますが、日本は「もの」ではなく、
(形容詞・形容動詞は「ものごとの状態」をあらわすので、)
ここでは「日本は平和な状態だ」といっているのです。

だからこれは名詞+助動詞ではなく、
「平和だ」で形容動詞一語だということがわかるのです。

「だ」の識別については以上ですが、まだはっきりしない点がありましたら
またご連絡ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに形容詞と形容動詞はつぎのように理解してください。

 1 まずそれぞれの例語を5つずつ言えるようにする。
   下の2が先でもOK。

   (形容動詞はなかなか出てこないと思いますががんばって!
    私がスカイプ指導をするときは、まず10個くらいいってあげて   
    「さぁ、今、僕がいったのと同じものでいいから5つあげてごらん」と
    いいます)

 
 2 次に「・・・い」で終わるのが形容詞、
   「・・・・だ」で終わるのが形容動詞と覚える。

 3 ただし、形容詞は過去形にしたときに語尾の「い」が消えて「かった」となる。
   (例 楽しい⇒楽しかった   悲しい⇒悲しかった)

   形容動詞は名詞を修飾する形にしたときに語尾の「だ」が「な」に変わる
   (例 静かだ⇒静かな○○  困難だ⇒困難な○○ )

 4 こここまで覚えて、最後に1であげた5つの言葉を使って、3をやってみる。
   (形容動詞では○○に自由に名詞を入れる)

  
 5 ただし、「きれい」は語尾の「い」を消して、「かった」をつけると
   「きれかった」となって正しい日本語ではなくなるので
   これは「きれい」という形容詞ではなく、
   正しくは「きれいだ」という形容動詞であることを理解する。

   それを確認するため、上の3をやってみて「きれいな○○」と例を考えてみる。

 以上で、ほぼ完ぺきだと思います。

 
※「先生のブログで小さいと小さなが違う話を読みました」とあったので
 いったいいつの記事だろうとおもってみるとほとんど10年前ですね。
 (おそろし~!!)

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