■国語の力を伸ばすための「ファクターX」
国語の力を伸ばすための「ファクターX」
ノーベル賞を受賞した京都大学山中教授の、新型コロナウィルス感染についての言葉です。
日本の感染拡大が欧米に比べて緩やかなのは、絶対に何か理由が
あるはずだということです。何が理由かはわからないのですけれど、僕は仮に「ファクターX」と呼んでいます。
国語の成績伸長にも、私は「ファクターX」があると思っています。
しかし、こんなことをいっても普通の人はわかってくれません。
目に見えるものしか信じない人にはまったく響かないでしょうね。
国語の教師でもピンと来ない人は大勢いるだろうと思います。
ここでうまくことばで説明できたら、それは「ファクターX」ではありません。
目に見えず、正体がわからないからこその「ファクターX」なのです。
しかし、私は国語の指導を35年間やってきて、その経験によって他の教師よりは
「ファクターX」を感じとることができていると自負しています。
たとえば、学校の授業だけでは、絶対に国語の成績をあげることは無理だという
ことはわかりきっていることでしょう。
私も東京の中高一貫校に12年間勤めましたが、学校というところは「教育」の
場ですからね。子どもの人間形成が一番の目的だと言ってもいいかもしれません。
雑務の合間に授業をやるというのが教師であって、授業が中心ではありません。
かといって、自分で問題集をこつこつとやっても国語の成績は伸びません。
塾にいってもなかなか国語はできるようになりません。
(この理由は次回以降、説明します)
私は学校だけでなく、塾業界にも長くいた人間ですから、塾では生徒の力を伸ば
してあげようと一生懸命に指導していることは承知しています。
しかし、国語の成績はそれだけでは伸びないのです。
絶対に目に見えない「ファクターX」があるはずなのです。
スカイプ指導をしていて、ふとしたことで「おっ、できるようになったな」と
感じることがあります。
今週では小学5年生と中学1年生にそれを感じました。
「おっ! 今の答え方はいいねぇ、○○くん、できるようになったねぇ」と言っても、
本人には何のことやらわかりません。
その答え方のどこがよかったのか、以前とはどこが違うのかを説明してあげても、
たいていの場合はピンときません。
きっと保護者も、学校の先生も気づかないでしょう。
そういうごく小さな芽が出てきたことに気づき、それを大きく育ててあげるのが
私たちの役目です。
「ファクターX」を引き出せてもらえるような先生に巡り合えたらいいですね!
(2020年6月28日)