■フヨウフキュウを漢字で書けますか?
フヨウフキュウを漢字で書けますか?
もう何度も聞いていいかげん耳にタコができたのではないかと思われる「フヨウフキュウの外出はお控えください」。
この「フヨウフキュウ」を漢字で書けるでしょうか?
もしこれを聞いたことがないという小中学生がいたら、ちょっとまずいですよ。
そういう子は国語の勉強をする以前のところが欠落しています。
そんな状態では今後国語の成績がよくなる可能性はかなり低いと思われます。
そういうところから早急に改善していきましょう。
さて、この「フヨウフキュウ」ですが、ビートたけしさんは「用のねぇやつは
家を出るなって言えばいいんじゃないの」と言っていました。
そうすると「不用」と書くかのように思えますよね。
むしろ、それだと「無用」のほうになるのでしょうが。
「フキュウ」は、「不眠不休」ということばもあるので、「不用」とこれをあわせて
「不用不休」と書く子もいるかもしれません。
小池都知事はこれをいいかえて「お急ぎでない外出は・・・」と言っていました。
つまり「不急」ですね。
「フヨウ」は「不要」と書くので、「不必要な」ということで
絶対に必要な外出以外はしないでほしいということですよね。
すべて漢字で書くと「不要不急」ですが、では、今度は、
「この外出は不要不急ではない」といったらどうでしょう?
「不要不急ではない」
これはどういうことかわかりますか?
否定が2つも3つもあります。
頭が混乱してわからなくなってしまうのではないでしょうか?
「フヨウフキュウ」から国語(言葉)の学習をひろげよう。
ある言葉に「不・無・非・未」という打ち消しの言葉をつけるというのは
小学生の知識分野の基礎問題ですが、「不可〇」という表現を理解しましょう。
まず「不可欠」。
これは入試に書き取り問題としてよく出題されます。
「不可決」と書いてしまう子が多いのです。
では「不可欠」とはどういうことでしょう?
意味はわかりますか?
「不可~」で「~できない」
(「不可能」の「能」から説明すると高校生の漢文のようになってしまうので
それはやめておきますね)
では「不可欠」では何ができないのか。
「欠く」ことができない。
小学生は「欠ける」とは読めても、なかなか「欠く」と読む発想はありませんが。
「不可避」はどうでしょう。
といっても、小学生には「避ける」が読めないでしょうが、これが読めたら
「避けることができない」とわかるでしょうね・
では「不可逆」はどうでしょう?
「逆にすることができない」ということです。
韓国との慰安婦問題で「最終的、かつ不可逆的な解決」ということばを何度も
耳にしました。
では、「不可避なもの」「不可逆的なもの」として何があるでしょう?
何か例をあげることができますか?
国語の読解でとっても大切なことは、あることばから自分がわかりやすい具体的
なものごとを想像することですよ。
それをせずに言葉の上だけで遊んでいてはいけません。
「不可避なもの」は、いくつでも思いつくでしょうが、「不可逆的なもの」は
まず出てこないでしょうね。
そこで「時間」なんて言えたら天才です。
では話を戻して、「不要不急(ではない)」という表現ですが、具体的には、
たとえばどんなことが「不要不急の外出」になるのか。
あるいはどんなことが「不要不急ではない」といえるのか。
国語の読解というのは常にそのように言葉の向こう側にある具体的なものごとを
想像することがとっても大切ですよ。
またここから「フキュウの名作」「日本中にフキュウした」というような言葉も
連想されますから、そういう同音異義語も覚えておきましょう。
国語はこのように一つのことからいろいろと派生して学ぶことができます。
文章をまともに読めていないのに、問1は「ウ」とか、問2は「イ」なんて
やっていても、国語は永遠にできるようにはならないですよ。
(2020.04.01 記)