■短歌と俳句の勉強法
(1)高校生の文法学習に短歌を利用しよう。
高校生にとって短歌は文法の練習に最適です。
何でもいいのですが、一例をあげると
思いつつぬればや人の見えつらむ夢と知りせばさめざらましを
古今集
有名な小野小町の歌です。
そこで質問です。
1 「ぬればや」は「寝ればや」ですが、「や」について文法的説明が
できますか?
2 「見えつらむ」の品詞分解ができますか?

3 「さめざらましを」は「覚めざらましを」ですが、「ざら」「まし」を
文法的に説明できますか?
4 この歌を解釈できますか?
高校生にとっては歌一首でこのように文法の練習がたくさんできるのです。
いろんな歌でこのように練習してみたらどうでしょう。
この質問1~4の正解はこのページの一番下にあります。
(2)小学生の短歌俳句はまず暗唱
小学生はとにかく短歌俳句を30ずつくらい暗唱するところから始めましょう。
「俳句を30暗唱してもらう」というと生徒の反応は「えーーーーー!」です。
しかし、「じゃ今とりあえず5つだけ覚えようか」といって一緒にやるとものの
5分もかからず覚えてしまいます。(やはり子供は天才だ!)
「ほらね、覚えられるでしょ?」というとみんな納得です。
「覚えるべき俳句33」をプレゼントします。
いきなり33は多すぎるという人はまず10~15くらいでスタートしてください。
次に覚えたかどうかの確認方法ですが、
だれから初句の5音を言ってあげてください。
そして子供がそれに続けて言うというやり方でOKです。
たとえば、「山路来てなにやらゆかしすみれ草」という俳句だったら
最初の「山路来て」といってあげます。
すると、子供がそのあとの「なにやらゆかしすみれ草」と言うのです。
こんな方法で、「覚えるべき俳句33」を覚えましょう。
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<小野小町の短歌について・模範解答>——————————–
思いつつぬればや人の見えつらむ夢と知りせばさめざらましを
古今集・小野小町
1 「ぬればや」は「寝ればや」ですが、「や」について文法的説明が
できますか?
→〔解答〕疑問の係助詞
2 「見えつらむ」の品詞分解ができますか?
→〔解答〕見え・・・動詞ヤ行下二段活用「見ゆ」の連用形
つ・・・強意(確述)の助動詞「つ」の未然形
らむ・・・現在の原因推量の助動詞「らむ」の連体形(係り結び)
3 「さめざらましを」は「覚めざらましを」ですが、「ざら」「まし」を
文法的に説明できますか?
→〔解答〕ざら・・・打ち消しの助動詞「ず」の未然形
まし・・・反実仮想の助動詞「まし」の連体形
4 この歌を解釈できますか?
→〔解答例〕 恋い慕いながら寝たので、あの方が夢の中にあらわれたのだろうか。
もし夢だとわかっていたなら目覚めなかっただろうに。
以上です。
できましたか?