■凡人だからこそ国語はできる。

「出る杭は打たれる」で横並びの好きな日本人

私の卒業した高校の校訓は「水平線上に突起をつくれ」でした。
 
平々凡々で終わらず、抜きんでた人物になれということでしょうが、
日本人はとかくみんなと同じところで満足してしまうところがありますよね。

出る杭は打たれるといったり、長いものには巻かれろといったりもします。

沈没しそうな船から海に飛び込ませようとするときの有名なジョークがありますよね。

船から飛び込み

アメリカ人に対して「今、飛び込めばヒーローになれますよ」と言い、イギリス人に対しては「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」と言えばいいという話です。

日本人に対しては「みなさんはもう飛び込みましたよ!!」と言えば飛び込むといいます。

つまり国民性として日本人は横並びでみんながやっていることと同じことをする、
自分だけ特別なこと、目立つことはしたくないという面があるということです。

これだと、ひときわ尖った才能は開花しません。

芸術

「芸術は爆発だ」で有名な岡本太郎さんのように、大阪万博の大屋根(丹下健三氏設計)を
ぶち抜いて、天へと伸びる太陽の塔を制作するような奇想天外な発想は生まれません。

とはいっても日本国民みんなが岡本太郎になっては困りますが。

多くの凡人がいるからこそ、また彼のような奇才も生まれるのでしょうね。

凡人だからこそ国語はできる。

さて、岡本太郎さんの国語の成績はどうだったか、私は知りませんが、人と違った発想を
する人は国語のテストではなかなか点数をとることができません。

ふつうの人のふつうの発想が国語では正解になるからです。

私の一冊目の本にそのことを書いています。

アメリカ大リーグ(野球)の話です。
試合も終盤にさしかかり、救援投手が出てきました。

・・・・ここからは本からの引用・・・・・

 外野スタンドのあたりの投球練習場から小走りでH投手がグラウンドに姿を現しました。
自信に満ちた表情です。

 ここで颯爽とマウンドへと向かうH投手ですが、大観衆が注目する中、彼は
足をもつれさせ転んでしまいました。観衆は大爆笑!

 さて、ここで問題です。

〔問い〕このときのH投手の心情として最も適当なものを次の中から一つ選びなさい。

  ア 多くの人の前でこけてしまい恥ずかしい。
  イ 多くの人の前で目立つことができてうれしい。
  ウ 多くの笑った人たちに対して腹立たしい。
  エ 自分のぶざまな所作に対して情けない。

 答えとしてはどれがふさわしいと思いますか?

 私は、人の感情は様々ですから、どれも考えられると思います。
 どれも、決して間違いではないでしょう。

 しかも、本当のことはH投手本人に聞いてみない限り、わからないのかもしれません。
しかし、選択肢には「本人に聞かないとわからない。」などというものはありませんから、
ア~エのどれか一つに決めないといけないのです。

道を行く一般の人々に聞くとみんなはどう答えるか。

やはり「ア」が圧倒的に多いのではないでしょうか。

つまり、国語の選択肢問題では、より多くの人々が「普通」だと感じるもの、
それが正解となるのです。

ですから、選択肢問題には「次の中から最も適当なものを一つ選び・・・」とあります。
この「最も適当なもの」とは、言い換えれば「適当なものはいくつかあるかもしれないが、
その中で一番いいと思われるもの」ということです。アもよければ、イも、ウも、そして
エも適当なのです。

さらに言えば、文章を読み、この問題に向かっている生徒自身の心情、考えなどは
問題ではない
のです。

ここでは登場人物の心情を問題にしていながら、実際はそれを考えさせるのではなく、
多くの一般の人たちはどう考えるかを尋ねている問題だ
と言えます。

ですから、一般とは少し異なる個性的な考えをする子は選択肢問題で苦労することも
あるということになります。

 「要約力を鍛えればどんな子も「本物の国語力」が身につく」166ページ
                      (コスモ21 1540円)
・・・・・・・・・・・・・・・・

ちなみに、冒頭の岡本太郎さんは小学校1年生の1学期で退学し、翌年、慶應幼稚舎に
入りなおして、結局小学校1年生を2度経験したというのですから、まったく「ふつう」
ではありません。

語句の意味用法・小テスト問題《 小・中 》 No.18

 今日は漢字がもつ意味についての問題です。
 

問 次の1~5について、後の問いに答えなさい。(東京・普連土学園中学)
  
 1 ア ジュンバンに並ぶ。
   イ 雨天ジュンエン。
   ウ 正しいヒツジュン。
   エ ジュウジュンな性格。

 2 ア クウセキが目立つ車両。
   イ 羽田クウコウ。
   ウ 議会がクウテンする。  
   エ 生活クウカン。

 3 ア ケイカ報告。
   イ 東京駅をケイユする。
   ウ 緯度とケイド。
   エ はなばなしいケイレキ。

 4 ア シャレイを渡す。
   イ カンシャの気持ち。
   ウ シャイをつげる。 
   エ 面会シャゼツ。

 5 ア カミツな日程。
   イ 重大なカシツを犯す。
   ウ 実力をカシンする。
   エ カゲキな発言。

問1 それぞれのア~エのカタカナの部分を漢字二字の熟語に直したとき、
   共通している漢字をしるしなさい。

問2 それぞれで共通に使われている漢字の中から、他の三つと異なる意味で
   用いられているものを探し、ア~エの記号で答えなさい。

解答は<<編集後記&お知らせ>>で。

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◆┃編┃集┃後┃記┃&┃お┃知┃ら┃せ┃◆
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◎小・中学生用(東京・普連土学園中学)

 問1 1 順   2 空   3 経   4 謝   5 過

 問2 1 エ   2 イ   3 ウ   4 エ   5 イ

※問2は質問の意味がわからなかったという人もいるでしょうね。
 漢字1文字1文字がもつ意味をふだんからちゃんと考えるようにしましょう。

たとえば「著」という文字は2つの訓読みがあって、まったく意味が異なります。
6年生以上だったら2つの訓読みができて、それぞれの意味で熟語が書けるようで
ないといけません。

〔問2の解説〕

 1 ア~ウの「順」は「順番」の意味だが、エは「おとなしい、素直」という意味。
 
 2 ア、ウ、エの「空」は「からっぽで何もない」という意味だが、イは「航空機」の略。

 3 ア、イ、エの「経」は「すぎていく」という意味だが、ウは「たて」の意味。

 4 ア~ウの「謝」はお礼をする意味だが、エは「断る」の意味。

 5 ア、ウ、エの「過」は程度を越しているという意味だが、イは「あやまち、失敗」の意味。