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■間違いだらけの入試直前・国語勉強法

間違いだらけの入試直前・国語勉強法

12月になりました。

受験を間近に控えた生徒のために「間違いだらけの入試直前国語勉強法」ということで、いくつか取り上げることとします。

1、文学史は労多くして、益少なし。

自分の受験校に毎年必ず文学史問題が出題されている、しかも配点が1点や2点ではない、という場合を除いて文学史の暗記はやめましょう。
そんな時間があるのなら、算数(数学)や英語に充てるべきです。

2、知識の総整理は成績上位者だけ。

文章問題の読解などは実力をつけるのに時間がかかるけど、暗記だけのものは直前でも間に合うので、これからは四字熟語や文法、あるいはことわざ・慣用句など知識問題の総整理に取り組もうとする生徒が間々見られます。

場合によっては、塾の先生がそのように言うことさえあります。

しかし、これは大間違いです。

成績上位者であればこの言葉は当たっているかも知れませんが、国語の苦手な子は残されたわずかな期間だけこれをやってもほとんど無意味です。

膨大な量の知識問題を入試直前のわずかな時間でこなすことは不可能ですし、そんなに短期間で簡単にできることなら、これまでにもうすでにできているはずです。

それが、この時期になってもまだ不確かだということは明らかに短期間では無理だということなのです。

たしかに、市販の直前対策などをみると、よく厳選されたものが掲載されています。
ですから、それらを片っ端からつぶしていくことは、まったく無意味とは言えませんが、これも入試で出題される確率は低く、労多くして益少なしと言わざるをえません。
 

それに、なにより私が危惧するのは、考えること、面倒なことは避けようとする風潮です。

確かに私の主張する「要約文練習」は大変です。
ですから、その大変なことはやりたくない、もっと楽にできる暗記ものをというふうに子供は走りがちなのです。

これは英語の学習でも同様で、「長文が苦手だ。読みたくない。単語力がないから長文は読めない。だから単語の力をもっとつけてから。」といってせっせと単語練習ばかりに時間をかけている生徒が高校生にも多いのですが、私に言わせるとそんなものは長文を読む大変さから逃げているだけ、「単語練習」はお気楽だからやっているだけとしか見えません。

3、では何をするべきか?

国語の苦手な子は、最後まで読解力をつけるよう心がけましょう。

もちろん、漢字や語句などの知識分野をおろそかにしていいということではありませんが、文章問題から逃げてはいけません。
とことん「読んで書いて、読んで書いて」を繰り返しましょう。

これは、自分がどれだけできるようになっているのか、つかみどころがないため、入試を前にした状態では不安にもなるでしょうが、私はやはりこれを最後まで続けることをおすすめします。

中高生は要約文練習を繰り返しましょう。

4、入試問題演習では、

この時期になると、自分の受験校の出題傾向を探るため、過去の入試問題に当たっている生徒も多いと思います。

しかし、このとき注意して頂きたいのは正答を得られたか否かということよりもきちんと設問を理解した上で答えたか、ということの方が大切だということです。
  
記述問題であれば、答え方は正しいかどうか。たとえば、「どうしてですか。」という問いに「~から。」と答えているか。
「どのようになったのですか。」という問いに「~になった。」と答えているか、
まずはここをチェックしましょう。

これは課題作文ともつながるのですが、仮に課題作文で次のようなものが出題されたとします。

【課題】

  本文〇行目「SDGs」について、あなたができる身近なことを例に
  挙げながら、「SDGs」とは何かを160~200字で説明しなさい。

ここには3つのポイントがあります。

1 そもそもこれは「SDGs」とは何かを説明しなさいという課題であるということ。
2 次に「自分ができる身近な例を挙げているか」ということ。
3 そして最後に「160~200字で」という文字数。

作文では、内容で大きく減点されることはまずありません。

しかし、このような条件を満たしていなかったり、この条件からそれてしまったときに大きく減点されるのです。

そのような失敗がないかを、過去問では事前チェックしてください。

また、選択肢問題では、その答えを選ぶ上での根拠は本当にあるのか、なぜそれが正しいと思ったのか、自分なりの根拠がしっかりしていれば、仮に正解でなくても大丈夫です。その考え方は確実に次へとつながっていきます。

真の力をつけることへとつながっていきます。

しかし、根拠なしで当てずっぽうに選択肢を選んだ子は仮にそれが正解だったとしても、そんなものはまぐれ当たり以外の何ものでもなく、本当にできたことにはならないことはだれにだってわかることでしょう。
これでは次につながりません。
  
しかし、どうしても目先の点数にこだわりたいため、そこに目をつぶろうとする子が中学生にも多いのです。

今はまぐれで当たっても、入試でははずれる確率の高いことを肝に銘じて欲しいものです。

最後の最後まで、真の実力をつけることを主眼としましょう。

今回は、結論的には、入試が迫っても決して暗記ものに流れることなく、正面から読解問題に立ち向かおうという内容に終始しました。

国語学習の王道ですね。

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