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■いろは歌に秘められた暗号文/だれもが知っておくべき『伊勢物語』の有名な折句

■新聞の言葉遊び

サッカーワールドカップで日本は初戦ドイツ戦に勝ったことで俄然盛り上がりました。

11月23日付け毎日新聞のテレビ番組面、NHKのW杯中継欄には次のようにあった
そうです。

ドイツと注目の一戦!
10時試合開始▽鍵は
ハイプレス・相手の球
を奪い反撃!ゴールの
歓声は日本中に希望と
喜びを▽ベスト8以上
の目標達成に向け正念
場▽今夜は青い炎を胸
に応援しよう!

この各行の一番左の文字を縦に読むと

ドーハを歓喜の場に

となっています。

言葉の遊びですが、これを考えた人は何分で作ったのでしょうね。

そんなに時間をかけられるほどにヒマではないでしょうに。

このメルマガを書いているのは日付変わって27日午前1時ごろです。

さて、今日はコスタリカ戦。

さて、今朝の新聞はどんな表現になっているのでしょうね。

■いろは歌に秘められた暗号文

「いろは歌」は丸暗記しているでしょうか?
そして意味を理解しているでしょうか?

これは中高生にとっては「絶対」ですよ。

このいろは歌にも暗号のようにある言葉が隠されていると言います。

色は匂へど
散りぬるを
我が世たれそ常ならむ
有為(うゐ)の奥山
今日(けふ)越えて
浅き夢見じ
酔ひもせず

すべてひらがなで書き、濁点を消いて、1行7文字とすると次のようになります。

いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむうゐのおく
やまけふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす

この各行の一番右の文字を縦に読むと「咎(とが)なくて死す」と読めるという
のです。

そして実際に「いろは歌」の最初のものはすべて漢字で書かれていますが
その原本はもともと1行7文字で書かれているのです。

このように読ませるために、無理矢理に7文字で改行したのではないのです。

「咎(とが)なくて死す」とは、つまり、「無実の罪を着せられて死ぬ」という
こと。

いろは歌はだれが作ったのかがわかっていませんが、それにしてもすごいですね。

47文字をすべて1度だけつかって詩としての意味を成り立たせることだけでも
すごいのに、さらに暗号のような文を書き入れるなんて。

■だれもが知っておくべき『伊勢物語』の有名な折句

ある一つの文章や詩の中に、別の意味を持つ言葉を織り込む言葉遊びの一種。

「折句」をwikipediaで調べるとこのようにありました。

平安時代の『伊勢物語』に次のような和歌があります。

からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
たびをしぞおもふ

これは『伊勢物語』第九段「東下り」に登場する和歌です。

都に居場所がないと思ったある男(主人公)は、自分の住むべき場所を求める
ために、友人たちと東の国へと旅立ちます。

その途上、三河の国の八橋というところで休憩していたとき、水辺に
「かきつばた」が群れ咲いているのを見つけた一行のひとりが、主人公に
次のように言います。

 「かきつばたといふ五文字を句の上に据ゑて、旅の心をよめ」
 (『かきつばた』の五文字を、句の先頭に入れて、旅の気持ちを読め)

そこでよんだ歌が先の歌です。

各行の一番左の文字を縦に読むと「かきつはた」となります。

こういうのを「折句」といいます。

覚えておいてくださいね。

◆編集後記◆

ちなみに『伊勢物語』の歌の意味は次の通りです。

  何回も着て、体になじんだ唐衣のように、慣れ親しんだ妻。
  彼女が(都に)いるからこそ、遠く離れた旅のわびしさが思われる。

この歌を聞いた一行はみな涙をこぼし、食べていた乾飯(米を乾かしたもの)が
ふやけてしまったとのことでした。

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