■サッカー「三笘の1ミリ」、長友選手の「ブラボー!」/サッカー試合終了後に水道使用量急増
■サッカー「三笘の1ミリ」、長友選手の「ブラボー!」
20年前のW杯日韓大会、日本の初戦、ベルギー戦での初得点は鈴木隆行選手の
ゴール前で右足を必死にのばし、つま先がかろうじてボールにあたって決まった
ものでした。
わずか数センチ。
今回の「三笘の1ミリ」はそれをはるかに越えて、これから数十年ずっと語り
継がれるでしょうね。
長友選手は繰り返し「ブラボー!」と叫んでいますが、選手全員にむかって言って
いるのだったら、相手は「男性複数」だから、正しいイタリア語では「ブラビー」
ですよね。
それも最後の「ビー」を伸ばすのではなく、「ラー」を伸ばして「ブラービ」。
長友選手はイタリアに10年近く住んでいて、イタリア語も話せるのだから
日常語としては「ブラボー」でいいのかもしれませんが。
それに「お前はブラボーだ」と個人、個人に対して言っているのだったら
これでいいのでしょうね、おそらく。
文法的には、称賛される相手が男性一人だったら「ブラーボ」、男性複数だったら
「ブラービ」、女性一人だったら「ブラーバ」、女性複数だったら「ブラーベ」。
この男性か女性かで言葉が変わるのは困りますよね。
Aさん:ハワイに行ってきたんだ。
Bさん:だれと?
Aさん:友だち。
と日本語だったら言えますが、イタリア語では「友だち」といっても、一緒に
行った人が男性か女性か、単数か複数かがわかってしまうのです。
男性単数 アミーコ
男性複数 アミーチ
女性単数 アミーカ
女性複数 アミーケ
相手が女性か男性かをごまかせない・・・。
あいまいな日本語、ブラボー!!
■サッカー試合終了後に水道使用量急増
ドイツ戦で勝った翌日にこのような見出しのネットニュースがありました。
第二戦のコスタリカ戦の翌日は「W杯日本の失点直後に水道使用量急増」
とありました。
1サッカー試合終了→2水道使用量急増
1日本の失点直後→2水道使用量急増
この1から2への因果関係はわかるでしょうか?
点と点がつながりますか?
ヒント=「日本応援で我慢?水道量連動」
これもニュースの見出しです。
これだけで理解できるでしょうか?
まず「日本応援」はわかりますよね。
次の「我慢」は? 何を我慢するの?
また「水道量」とありますが、「水道料」ではなく「水道(使用)量」ですから、
水道料金の値上げを我慢するわけではありません。
しかし、ネットニュースは誤字が多く、「水道料」と間違えているものも過去には
あったのですよ。(誤字にパッと目がとまるのは職業病ですから)
最後に「連動」って何と連動するの?
さて、これらのことからどういうことかわかるでしょうか?
答えは、トイレやお風呂での水道使用量のことです。
試合中はトイレも我慢してハーフタイムや試合後にみんな駆け込んだのだという
ことです。
これで点と点がつながります。
このことはワールドカップになると毎回報道されているのですよ。
このメルマガでも8年前に一度取り上げています。
<8年前のメルマガ記事ここから>
ネットニュースによると水道使用量が、試合展開に連動して大きく増減して
いたそうで、キックオフ前は、1時間当たり換算で約2.5万トン前後で推移
していた水道使用量が、試合開始直後から急激に減り始め、前半終了間際には
約1.6万トンにまで下がったそうです。
そして、ハーフタイムに入って間もなく約2.1万トンにまで急上昇。後半が
始まると再び減少に転じ、試合直後には一気に約0.4トン増加したそうです。
このように与えられた断片的な情報をむすびつけ、矛盾のないように類推して
いくのが国語の読解です。
<ここまで>
私の2冊目の本に「漫画『名探偵コナン』を読んで国語につよくなろう」という
内容があります。
国語と『名探偵コナン』はどこが共通しているのかというと、言葉や行動の
点と点を結び合わせて線にし、そこから面へと広げていく作業が必要だと
いうことです。
コナンくんは犯人と思われる人物の何気ない言葉や行動になぜその言葉を
発したのか、どのような意図でそのような行動をとったのかと、何らかの
隠された意味を読み取り、それをつなげて類推していきます。
国語、特に物語・小説では本文に書かれていることを見逃すことなく、点と点を
つなげて本文全体を類推しながら理解しないといけないのです。
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