■Kindle本『国語の苦手な小中学生のための「国語力を3か月で伸ばす方法」』
■Kindle本『国語の苦手な小中学生のための「国語力を3か月で伸ばす方法」』
内容はこれまでメルマガやブログに書いてきたことや、2冊の著書に書いて
きたことが中心ですから、10年間、このメルマガを読んでいる人には目新しさ
はないでしょうが、そんな人はいないでしょうから、多くの人にとってきっと
いいものになっていると思います。
とくに「購入者5大特典」には力を入れました。
その中のひとつ「ミニ読解問題20」では、良問ばかりをあつめていて、短い
文章に、問いが1つだけあります。
今日はこのメルマガの最後にそのサンプルを1つあげますが、なんとこの特典の
「ミニ読解問題20」だけで、文字数は2万5千文字もあるのです。
これだけで一冊の本ができそうです。
それくらい解説が詳しいのです。
親せきはもちろん、ご近所、友人、昔の恋人などなど、日本中の人々に広めましょう!
■ミニ読解問題(Kiindle本・購入者特典サンプル)
次の文章を読んでください。
こちらが店に入ったとき、「おたばこはお吸いになられますか」と
確認する従業員もいます。これは過剰敬語と以前から言われている
もので、「お吸いになりますか」程度で十分なところでしょう。でも、
客を軽んじているわけではないのでこう言われてもこちらは平気です。
ところが、その同じ従業員が席に案内してくれるとき、「一名さま入り
ま~す」と奥に呼びかけるので、がくっときます。
飯間浩明『遊ぶ日本語 不思議な日本語』
【問い】
問1 「過剰敬語」とありますが、それは何のことをさして言っているのですか。
問2 なぜ、それは「過剰敬語」なのですか。
問3 最後に「がくっときます」とありますが、それはなぜですか。
(これは、質問が3つありました。1つではなかったですね)
◆ 解答・解説
日本語ブームというのは周期的に必ず訪れるものですね。
しかし、国語の指導者にとって「日本語」は、常に気になっていることですから、
特にブームというものではないと思います。
国語の入試問題は国語の先生が作成します。
すると、当然、先生の趣味が入ってきます。
普段から「日本語」について考えている国語の先生ですから、
日本語に関する文章の出題となりがちだということになります。
今回はそんな日本語の関する文章から「敬語」の発展問題ですが、どうだったで
しょうか?
「過剰敬語」の「過剰」ということばの意味がわからないという子が、特に小学
生ではきっといるでしょうね。「言い過ぎ、やりすぎ」のことです。
ここでは「敬語」が過剰になっているのです。
つまり「敬語の使いすぎ」です。
では、どの言葉が敬語の使いすぎになっているのか、というのが問1の問題です。
問2は、敬語の基本を問う問題です。
まず、「お~になる」は敬語です。そこまでは大丈夫ですか?
自分で「お~になる」を使って例文をつくってみてくださいね。
さて、敬語の3種類を言えますか?
「尊敬語・謙譲語・丁寧語」ですね。これも大丈夫ですか?
それでは、「尊敬語」と「謙譲語」の違いを言えますか?
誤解を恐れず簡単に言えば、「相手の動作か、自分の動作か」です。
たとえば、自分がものを食べるとき「いただきます!」と言います。
「いただく」は自分の動作。自分の動作は謙譲語です。
相手が食べるときは「いただく」とは言いません。
たとえば、「これを召し上がってください」なんて言います。
ですから、相手が食べるときは「召し上がる」を使うのです。これが「尊敬語」。
その違いをしっかり覚えておいてくださいね。
さて、「お~になる」は敬語3種類のうちの、どれにあたりますか?
大丈夫ですか?わかりますか?
そうです! 尊敬語です。
次に「なられますか」の部分。
これは「なる」に助動詞「れる」が接続して「なられる」となっているのです。
助動詞「れる・られる」の4つの意味は言えますか?
これもまた基本中の基本ですよ。
これを理解していない人は、中学受験では必ずといってもいいほど失敗します!
そうならないよう、「小中学生のための文法講座」もしっかり見ておいてくださ
いね。
ここでは「尊敬」の意味で使われています。
つまり、「お~になる」で尊敬、「れる」で尊敬と、尊敬が2回使われているの
です。
そこまで言えば、問3もすぐにわかることでしょう。
「入りま~す」に注目ですよ。
それでは解答です。
【解答例】
問1 「おたばこはお吸いになられますか」(という言葉)
問2 「お~になる」という尊敬表現と、尊敬の助動詞「れる」とを同時に
使っているから。
問3 直前では過剰なまでの敬語を使ったのに、その直後では「入りま~す」と
敬語なしの言葉を使い、その落差が大きかったから。
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