■言葉の向こうにある具体例を常に想像する
言葉の向こうにある具体例を常に想像することが大切。
(2020.04.10 記)
最低7割、極力8割、人との接触を減らしていただければ・・・
これは安倍首相の言葉ですが、私は最初この意味がよくわかりませんでした。
その理由は、どうも専門家の言葉をそのまま言っているだけで、
どうも安倍首相自身のことばだとは思えなかったためです。
みなさんはどうでしょう?
この意味がすぐにわかりましたか?
私たちは人との接触を7~8割減らすために具体的にどうしたらいいのでしょう?
友人と会うなら5回のうち4回はなくせということでしょうか?
買い物に出る回数をそのように減らせということでしょうか?
塾だったら週5日のところを1日だけにしろということでしょうか。
家族との会話がこれまで1時間だったら10~15分にしろということで
しょうか?
具体的にはどういうことをしたらいいのか、
私にははっきりわからなかったのですが、やはりわかりにくいと
テレビ局も気を利かせてくれたのでしょうか、解説をしていました。
やはり、一日に5回外出していたら、1回に減らすとかそういうことらしいです。
勤めにいくのも週5日のうちの4日は行くな、テレワークにしろということなの
でしょうね。
ことばは、このようにその裏側にある具体例を想像しないといけません。
具体的なことを考えている人と、考えていない人が同じように
「人との接触を8割減らしてください」といっても、相手への伝わり方が
ぜんぜん違うのです。
要約文も同じです。
生徒からは「本文に書いてあったことをそのまま書いたのにどうしていけないのですか」と質問されます。
しかし、「自分ではどういうことかわからないまま書き写しただけでしょ?」と言うと
ほとんどがそれです。
つまり自分でもよくわかっていないのです。
具体的なことを考えずにただ本文を書き写しても、それは読み手に通じないのです。
それが要約文では見え透いてしまうのです。
文章を書くときは、言葉の裏側にある具体例を必ず考えるようにしてくださいね。