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■課題作文を上手に書いて得点する方法

課題作文を上手に書いて得点する方法

毎年、受験が近づくと作文の添削依頼をいただくことがあります。

昨年は私が高校の教員1年目に担当した生徒(27年前の17歳・女子高生)から
連絡があり、娘が受験なので作文を見てほしいとのことでした。

今日は以下に小中学生の作文について書くこととしますが、高校生の小論文も
基本的なことは同じです。

★たとえば次のような課題があったとします。

  近年、メールやSNSの普及にともなって手紙やはがきを
  利用する人が減少しています。あなたは友人に連絡をと
  るには「手紙やはがきのほうがよい」という考えに賛成
  ですか、反対ですか。賛成か反対かの立場を明確にし、
  自分の体験や見聞を交えながら、あなたの考えを360字以上
  400字以内で書きなさい。
  ただし、原稿用紙の使い方を守り、文章は3段落、または 
  4段落構成にしなさい。

(1)まずは内容以前に文字数。

 この課題には「360字以上400字以内で」と文字数の条件があります。
 この条件を守っていないと0点です。
 字数不足でも字数オーバーでもいけません。
 内容はともかくとしてまずは原稿用紙のマス目をきちんと埋めることです。
 

読書感想文

(2)課題に沿った内容であること。

これが作文でもっとも大切なことです。
下の10にも書いていますが小中学生の作文はうまくなくてもまったく問題はあり
ません。
内容がきちんと課題に沿ったものになっていれば、大きな減点はありません。

この問題でいえば、「手紙やはがきのほうがよい」という考えに賛成か、反対かを
明確にして、自分の考えを書くということです。
これができていたら作文はほとんどクリアと思ってもらってもOKです。

(3)条件を守る。

 (1)自分の体験や見聞を交えながら
 (2)原稿用紙の使い方を守り、
 (3)文章は3段落、または4段落構成にしなさい

 この作文の課題では文字数の他にこの3つの条件を指示されています。

特に(1)「自分の体験や見聞を交えながら」というのがキモですね。
これがなくて、単に「手紙やはがきのほうがよい」という考えに賛成か、反対か
だけでは20文字で終わってしまいます。

この「自分の体験や見聞を交えながら」ということを具体的に書いていないと
かなり大きな減点になってしまいます。

ただし、このときに気を付けないといけないことがあります。
それは読むものにわかりやすく書くということです。
自分の体験だから自分はどんなことがあったのかはよくわかっています。
しかしそれを読むものは何にもわかっていないのです。
だから分かっていることを前提として書くと読むものにとってはまったく意味の
わからないものになってしまいます。
相手は何もわかっていないのです。
一から相手にわかるように書いてあげる必要があります。

(2)の原稿用紙の使い方は特に句読点の書き方に注意が必要です。
これが出来ている人にとっては当たり前のことですが、まだまだ行の先頭マスに
句読点を書く人が多いのです。
いちばん上のマスに句読点を書かず、これは前の行のいちばん下に書いてくださいね。
いちばん下のマスの中でも、あるいはマスからはみだしていてもかまわないと
いうのが正しいのですが、マスの中に文字といっしょに書き入れるという指示が
最近多いように思います。

また、これも当然ですが、行のいちばん下ではない場合は、句読点も文字と同じく
1マス使ってくださいね。

(4)構想を練る。

作文を書くときにまず最初にすべき作業ですが、これにあまり時間をかけすぎては
いけません。

もちろんその作文に与えられた時間や課題の難易度、あるいは書くべき文字数など
によっても違ってきますが、せいぜい構想を練るのは3分から5分でしょう。
10分もかけてしまうと実際に作文を書く時間がなくなってしまいます。

この構想は簡単にメモもしてくださいね。
このことを書こうと、具体的な自分の体験をメモもするのがいいでしょう。
この時点で文を書いていると時間がかかってしまうので、ここでは単語だけを
書いておくべきです。
要領よくやってください。

(5)実際に書く練習をする

過去問で練習をしましょう。
与えられた課題に内容が沿っていて、きちんと条件を守って書いているか。

制限時間も守ってくださいね。
「時間内でできませんでした」というようなことではいけません。
そんなときは、練習なのですから、時間オーバーしてでも最後まで書くべきですが、
そうして書いた作文は実際には料理人がお客さんに出せない料理をつくったような
ものですから、もう一度最初からやり直しましょう。
同じ課題で書き直してもいいのですが、それができたらまた別の問題でやってみて
ください。

(6)読み直しは絶対!

作文に限らず30文字や40文字の記述問題でも読み直しをしない生徒が多くいます。
誤字脱字はありませんか? 表現の不適切なところはありませんか?
大きな減点ではありませんが、間違えている数だけ小さく減点されますよ。

漢字をつかうべきところをひらがなで書いてしまうというのもいけません。
主語・述語や修飾・被修飾のねじれなどがないようにしましょう。

(7)反対の立場で書いてみる

学校でディベートをやっているかもしれませんがディベートでは自分個人の考え
とは無関係にチームとして賛成か、反対かという立場を決められてしまいます。
相手の反論を予想して、自分の作文でそれを事前に取り入れ、防波堤をつくって
おいて反論されないような書き方をするというのも一つの方法ですが、一つの作文を
仮に「賛成」の立場で書いたのなら、その次は「反対」の立場で書いてみるという
ことを私はお勧めします。
自分の考えとは正反対のことを書くための材料が必要になりますから、自分で
あれこれ考える力がつきます。
作文の効用はこれが一番ではないかと私は思っています。

(8)困ったら「な・た・も・だ」を利用する。

「な・た・も・だ」とは国語作文教育研究所の故宮川俊彦氏が提唱した文章の
組み立て方です。

な=なぜなら
た=たとえば
も=もし
だ=だから

まず自分の主張を書き、次に「なぜなら、・・・だからです。」とその理由を説明
します。
そして、「たとえば・・・」と具体例をあげ、「もし、・・・ならば、・・・でしょう」
と自分の主張と反対のことを仮に想定してみます。
そして最後に「だから、私は・・・なのです」と結論を書きます。

すべての受験生がこんな書き方をしているとぞっとしてしまいますので、これは
書くことがなくて困ったときの奥の手だと考えてください

(9) 最後に無理やりつけ足すべからず。

上の問題のように「360~400字で」という条件があるとき、300文字くらいまで
書いて、もう書くことがなくなったというようなことが時々あります。

しかし、最後に何かをむりやりに書き足すとそこからなんだか話題が変わったかの
ようになってしまい、無理やりつけたしたことは見え見えなので、大きな減点対象に
なってしまいます。

そういうことにならないことを意識して、事前に練習をしておくということが
必要ですが、具体例として書くことを複数準備しておくというのもいいでしょうね。

(10) 小中学生の作文はうまくなくて合格点はとれる。

小中学生が独創的なおもしろい作文を書けるということは稀です。
だからうまい作文を書こうとする必要はありません。
かといって、「先生受け」がいいような優等生作文もつまらないのですが、そこは
自身の体験を生き生きと書いて分かりやすい作文にしましょう。
それだけで合格点はとれます。

 
以上が、小中学生の課題作文についての注意点です。

作文の添削が必要な方はご連絡ください。
 
(ちなみに上の課題はずいぶん前の四谷大塚の問題に少し手を加えたものです。)

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