■塾に行っても国語の成績がよくならない理由 ― 集団指導塾 ―
塾に行っても国語の成績がよくならない理由 ― 集団指導塾 ―
以前、「塾に通っても国語の成績が伸びない理由(1)」として、 個別指導塾ではどうして国語の成績は良くならないのかということを書きました。
今回は、「塾に行っても国語の成績がよくならない理由」の集団指導塾バージョンです。
塾では先生が「教えてくれる」から。
塾にいっても国語の成績がよくならない生徒はたくさんいます。
その理由は数多くありますが、その一つは塾では先生が「教えてくれる」からです。
生徒は先生の話を聞くだけ。
その受け身の姿勢が、国語の成績がよくならない理由です。
先生の話を聞くだけで国語ができるようになるのだったら、小学生のときから
ずっと何年間も先生の話を聞いてきただろうし、塾でも話を聞いてきたのでしょう
から、みんな、とっくにできるようになっているはずですよね。
しかし、現実はそうではありません。
先生は子供がわかりやすいように説明してくれるでしょうが、
この「わかりやすい」というのがくせ者で、子供が「わかった」と思っても
「わかる」と「できる」はちがうのです。
わかってもできないのです。
私はこれをよく手品にたとえます。
手品師が私たちの目の前でマジックを見せてくれて、見ているほうは「すっげー!」
と思っても、私たちはそのマジックを真似することができません。
塾の先生が文章の解説をして、みごとに問題を解いても、じゃ、子どもたちがそれを
同じようにできるかというとそれは無理なのです。
「わかる」と「できる」はちがう。
私は以前、東京・神奈川のW塾というところに勤めていました。
その塾は今でこそ、10を越える校舎がありますが、当時は2~3校舎しかない時代です。
そこは高校生向けの塾でしたが、浪人生の予備校もふくめて、だいたいどこも生徒がどの授業を選ぶかを選択します。
私がある授業を担当したとしても、その授業を受けていた生徒からの評判が悪く、次のタームで選択者が少なくなると、よくて減給、悪いとクビとなってしまいます。
そうならないように、講師は生徒がおどろくようなマジシャンをみせて、問題を解いて見せます。
現代文でいうと、文中から大切な要素を抜き出して、まるで数学の方程式のように答えをだすのです、
すると、生徒は「あの先生はすごい!」「あの先生はわかりやすい」となります。
しかし、私にはいつも後ろめたい気持ちがありました。
自分がクビにならないように、まるでショーのような解き方を生徒に見せているが、それでは生徒はできるようにはならないとわかっていたためです。
もう一度言います。
生徒が「わかりやすい」「わかった」と言っても、それで生徒ができるようになるわけではないのです。
「わかる」と「できる」はちがうのです。
できるようになるためにはどうしたらいいのか。
それは自分から「書く」「話す」という積極的、能動的な作業をするということです。
塾で解説をうけてきた文章の内容を子供に言わせてみてください。
おそらくほとんど理解していないと思います。
本文の内容を理解していないのに、問1や問2といった設問だけをやろうとしています。
これは本末転倒で、本来は問いよりも、文章の内容をしっかりと理解すべきなのです。
それができれば問いは自然とできます。
だから私は要約文学習法をおすすめしているのです。
「書く」ことは、指導者がいないとむずかしいでしょうが、「話す」ことはご家庭でもできます。
国語は復習のしかたがむずかしい科目ですが、塾で解説をうけてきた文章の内容を口頭で言ってみるという方法は復習に最適です。
はじめはだれだってうまく言えず、たいていの子はただだらだらと文章を読むだけですが、それを繰り返していると次第に上手になっていきます。
そんなことをまずは3ヵ月実践してみてください。
3ヵ月後ははるかに上手にいえるようになっているはずです。
※YouTubeでの音声版はこちら。
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