■国語では政治家の答弁のような答案は書くな!
政治家の答弁のような答案は書くな!
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出される中、昨日(1月27日)の参院予算委員会で
菅総理が、前回の宣言時のような、国民1人あたり10万円を支給する特別定額給付金については
「考えていません」と言ったそうです。
1週間くらい前には、麻生財務大臣が特別定額給付金については「やるつもりはありません」とはっきり言い、麻生大臣のあの口調ですから、その後ネットでは批判する声がずいぶん上がりました。
実は、この質問は1月9日の菅総理への記者会見から始まっているのです。
テレビ東京の官邸キャップ・篠原さんという方が、そのとき報道機関の代表質問
として総理に質問をし、その後公明党の山口代表にも同じ質問をしているのです。
菅総理→山口代表→麻生大臣と、篠原さんの質問はつづき、そして昨日の菅総理
の予算委員会での答弁があったのです。
私は、1回目の菅総理の記者会見をみたときに「これはひどい!」と感じました。
なぜか?
完全スルーしたからです。
質問に対してまったく答えていないのです。
篠原氏の「特別定額給付金をやるつもりはあるか」という質問は、上にも書いたように報道機関の代表質問ですから、事前に官邸に提出していたそうです。
その質問に対する答えは、おそらく官僚が練り上げたものでしょうが、菅総理はそのペーパーを見て、あれやこれや言うものの、肝心の質問についてはまったく触れなかったのです。
好きでもない人から告白されて、はっきり断るのは申しわけないと思い、他の話題でやんわりとかわす手法でも用いたのでしょうか。
告白した方は「ダメってこと?」となんだか煮え切らない気持ちになります。
政治家ってこんな答弁をよくしますよね。
国会答弁でも質問者の質問には、答えにならないことをウダウダ言うばかりで、
いっこうに質問には答えないということがよくあります。
質問者が、「私はこうきいているんだ、はっきり答えてくれ」と再度質問しても
「ただいまお答えした通りでございます」なんて言います。
(「答えてないじゃないか!」と言いたくなりますが)
受験生がこんな政治家の答弁のような答案を書いてはいけませんよ。
受験直前に言っておきたいただ1つのこと。
受験を直前に控えた生徒に一言アドバイスするなら
質問に対して真正面からずばり答えること
これです。
通信講座の受講生のなかには、私から何度もその点を指摘されている人がいますよね。
2か月くらい前のメルマガに「彼女たちの成績が四谷大塚で1位だった理由」というタイトルで
記事を書きました。
それは「ミスをしないから」「得点すべきところをちゃんと得点するから」ということでした。
今回書いている「質問に対して真正面からずばり答える」ということもとっても大切ですよ。
国語ができる子にとってはそんなこと当然なのですけどね。
ちまたでは「国語は本文をちゃんと読めば答えはわかるようになっているのだから
文章をしっかり読みなさい」とよく言われます。
しかし、いくら文章をしっかり読んで正しく理解していても、試験では質問に
対して真正面から答えないと正解にはならないのです。
ですから、私は受験を前にした生徒に一言だけ言うなら、
問いをしっかり読みましょう。
と声をかけたいと思います。
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