■質問を正しく理解していなければ、正しい答えが出てくるはずがありません。
「政治家の答弁のような答案は書くな!」とこのメルマガに書いたのは、今年の1月のことでした。
ペーパーを棒読みする菅総理の言葉は聞く者に届かず、また国会の質問でも、記者の質問でも、やりとりがかみあわないことが多く、重ねて質問すると「ただ今、申しあげたとおりでございます」といいます。
「『今、申し上げた』って、質問にちゃんと答えていないじゃないか!」と言いたいところですが。
とにかく、国語の答案ではそんなことにならないよう、質問にピタッとあわせて答えるということを心がけてくださいよ。
質問を的確に理解する
質問にピタッとあわせて答えるといっても、そもそも質問をちゃんと理解できて
いないまま、答える生徒が多くいます。
LINE指導をしていても、頓珍漢な答えをいうので、「今、どんな質問をした?」
ときくと、いつのまにか質問が変わっています。
質問を正しく理解していないのだから、正しい答えが出てくるはずがありません。
質問を短くする。
先日、小学5年生に次の課題をやってもらいました。
課題:次の質問を20字程度でまとめてください
この文章には、古くから日本人は農村近くの森林を利用してきた
ということが書かれていますよね。
では、どのように利用してきたのでしょうか?
→これに対して、受講生は次のように答えてくれました。
日本人は森林をどのように利用してきたか。
これは見事ですよね。
本文を短くまとめるという課題は見たことがあっても、問いを短くまとめなさい
なんて課題は、おそらく見たことがないでしょうね。
しかし、上のように簡潔に質問を理解していないと、それにあわせた答えは出て
きません。
つぎの質問を理解できますか?
つぎの問いは、通信講座の課題にある問題です。
「河西」という小学生の男の子が「ぼく」をけろうとしたところ、あやまって
「宮崎」という女の子のお腹をおもいっきりけってしまいました。
「宮崎」は言葉にならないうめき声をあげてしゃがみこんでしまいました。
そこで問題です。
問い
傍線部「(ぼくが)ふりむくと、河西がゴム製のマスクみたいな顔をして、 自分の足のしたことを見つめている」とありますが、このときの、 「ぼく」がとらえている「河西」の気持ちを、「自分の足のしでかしたこと」 とはどういうことなのかがはっきりと分かるように、35字以上45字以内で 書きなさい。
さて、質問はなんだった?
上の問いを何度か読んで、「質問は何だった?」とお子さんに問うてみてください。
もし国語の苦手な子だったら次のようなことを答えると思います。
パターン1
傍線部「ぼくがふりむくと・・・ゴムのマスク・・・・」と
ありますが・・・。
これは問いになっている傍線部分を一生懸命に言おうとしているのです。
最初の「傍線部・・・・・とありますが」だけが気になり、そのあとの一番肝心な
ところまで理解できていないのです。
パターン2
「・・・・を35字以上45字以内で書きなさい」
これは答えを書くときの一つの条件であって質問ではありません。
文字数のことだけが頭に残って、肝心な質問内容の理解ができていないのです。
国語の苦手な生徒は、だいたいこの2つのパターンのうちのどちらかに当て
はまります。
この問いで押さえるべきは2点です。
1 河西の気持ちを答えなさい。
2 「(河西の)足のしでかしたこと」の内容をいれること。
この2点を押さえることができていればOKです。
文字数などはこの段階ではまだ気にすることはありません。
さぁ、どうでしょう? ちゃんと上の2点を言えたでしょうか?
国語の苦手な子の典型パターンになっていないといいのですが。
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