■国語は論理の空白を埋める作業
国語は論理の空白を埋める作業。
「風が吹けば桶屋がもうかる」という言葉があります。
どうして「風が吹けば桶屋がもうかる」のでしょう?
この「風が吹くこと」と「桶屋がもうかること」との間には論理の空白があります。
国語はこの論理の空白を自分で埋める作業だともいえるのです。
「風が吹くとほこりが立つでしょ?ほこりが立つとそれが目に入って結局
失明する人が増えるでしょ。失明したらみんな三味線を・・・・」と国語では
すべてを説明してくれないのです。
すべてを説明してしまうと文章のおもしろみがなくなってしまいます。
「わかる人だけわかってちょうだい」という感じですね。
文章の読者は、その書かれていない部分、省略された論理を自分で埋める作業
をしなければならないのです。
お笑いのオチを、「今の話のおもしろいところはね、・・・」と説明しないのと
同じようなものです。
すべての人にわかりやすく説明してくれるとは限りません。
一休さんの行動から学ぶ「直観力」
小学3年生用の漢字練習帳につぎのような文章がありました。
おしょうさんが出かけるとき、小僧たちにいいました。
「留守番をたのんだぞ。それからお供えしてあるおはぎは食べてはいかんぞ」
でも、小僧たちは、おはぎが食べたくてたまりません。
すると、一休は、仏様の口におはぎのあんこをなすりつけて、「こうすれば
平気さ」と言って笑いました。
わずか4つの文からなる文章ですが、これが読解の基本です。
すべて書かれていないのです。書かれているのはヒントだけ。
この例でいうともちろん最後の一休さんの「仏様の口におはぎのあんこをなすり
つける」という行動がヒントです。
ここから何のために、あるいはどういうことを考えて一休さんはこういうことを
したのかとピンとこないといけないのです。
本文中にははっきりと書いてくれていないのです。
【問い】
問1 一休はどうして「仏様の口におはぎのあんこをなすりつけ」たのでしょうか?
問2 「こうすれば平気さ」とありますが、これはどういうことを意味しているのでしょうか?
さぁ、できますか? 小学4年生以上だったらできてほしいですね。
※解答は、「編集後記」の最後にあります。
「名探偵コナン」を読んで国語に強くなろう
漫画『名探偵コナン』を読んでいたら、「あれ? これは国語と同じだぞ」と
感じたことがありました。
どこが共通しているのか、それは簡単です。
コナンくんの場合、推理を重ねて犯人を絞っていくわけですから、当然ではあり
ますが、犯人と思われる人物の何気ない言葉や行動になぜその言葉を発したのか、
どのような意図でそのような行動をとったのかと、何らかの隠された意味を読み
取り、それをつなげて類推していきます。
「おじさん、あのとき、こんなことしたよねぇ」という調子で。
言葉や行動の点と点を結び合わせて線にし、そこから面へと広げていく作業が
国語と共通しているのです。
読解力とは「文章を読んで不明のものを明らかにする力のことだ」ということ
を以前どこかに書きましたが、そこには「想像力」が必要です。
一休さんの問題のように。あるいはコナンくんの推理のように、書かれていることを
ヒントにして書かれていないことを推測するのです。
点と点をつなぎあわせて線にしないといけないのです。
それが国語です。
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◆┃編┃集┃後┃記┃&┃お┃知┃ら┃せ┃◆
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【解答例】
問一 仏さまがおはぎを食べたことにしようと考えたから。
問二 仏様の口におはぎのあんこをなすりつけておけば、おはぎを食べても
おしょうさんにはばれないということ。
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