■学校別問題集の模範解答に注意!
受験生は過去問に取り組んでいることと思いますが、市販の問題集の解答には間違いもありますので、気をつけてくださいね。
学校別問題集の模範解答は出版社によって違う!
中学受験関係で解答つきの過去問を販売しているのは、関東ではK社、M社の二社が、高校受験ではK社、T社、O社の三社が代表的なところとしてありますが、以前、中大杉並高の選択肢問題(四択)で難しい問題があったので三社の模範解答を見比べてみると、三社とも答えが違っているということがありました。
なかでも良心的なのはK社で、解説をみると「明確な答えは出しえなかった」と書かれていました。
一例をあげましょう。(明大中野中学)
平成24年度の明大中野中学の模範解答をK社とM社とで見比べてみた場合、2問で異なる解答がありました。
一つは「『うろたえる』と反対の様子を表している言葉を本文から抜き出せ」という問題ですが、K社の解答は「淡々と」、M社は「悟った」と書かれていました。
私は「淡々と」のほうがいいとは思いますが「悟った」もわからないわけではありません。(もしかしたら両方正解にしているかもしれません。出版社に配慮。)
また次のような問題もありました。
北海道の旭山動物園で「ある学者から、なぜあんな老いぼれた動物やけがをしている動物を展示するのだという声があった」が、強い批判がある中でこのような「展示」を続けているのは、どのような考えによるものか。本文中の言葉を用いて答えなさい。
これに対する解答例はつぎのようなものでした。
K社=北海道の野性動物がおかれた状況を知らせる必要があるという考え。
M社=動物も人間も命は等しくかけがえのないものであることを伝えたいという考え
ね、ぜんぜん違うでしょ?(あえてどちらがいいとはいいません。出版社に配慮。)
このような例は枚挙にいとまがありません。
駒場東邦の問題に次のようなものがありました。
点線部A「ぶーんと鼻をかんだら」、点線部B「鼻をちんとかんで」と
ありますが、この二つの表現からうかがえる気持ちの違いを説明しなさい。
【模範解答】
K社=Aは鼻水が止まらないほど悲しいが、Bは涙ぐんでしまうほどうれしいという違い。<
M社=真美は、Aでは悲しみをふっきろうとしているのに対し、Bでは親心に感謝している。
どうでしょう?
Aがまったく違いますよね。
M社の解答例を基準にすると、K社のほうの解答例はただ悲しんでいるだけでそれをふっきろうとしていることが書かれていないのでバツということになってしまいます。(ここでもどっちがいいとはいいませんよ。配慮していますから)
過去問だけではありません。
塾の採点基準にも「なぜ?」と首をかしげたくなることがときどきありますよね。
記述問題で、ただ「5点減点」と言われてもどうして減点されるのかがわからなかったら、次にいかすことができませんよね。
採点で迷ったらどうぞ私のところに送ってくださいといいたいところですが、
ごめんなさい、今は受講生で手いっぱいです。
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