■指示語「その」が指す内容を答える。

指示語の基本は大丈夫でしょうか。

1,前をみる
2,かかりうけを考える
3,自分の答えを当てはめて読む。

この3つです。

これは当たり前のこととして、ほとんどの人がすでに知っていることでしょう。

ただ、この2がわかりにくいかもしれませんね。
2は「どこにかかるか」「どのことばに続くか」ということです。

ある小学6年生から次のような質問をもらいました。

これは多くの人がつまずくところでもありますからシェアしたいと思います。

問い 次の文中に【そのなかで】とありますが、
この「その」が指し示す内容を文章中から十五字以内で
ぬき出しなさい。

  朝夕に犬を散歩させていると、いろんなタイプの愛犬家に出会う。
  【そのなかで】意外に多いのが、よその犬を見かけるとコースを
  変えて行ってしまう逃避型だ。

→さて、この「その」が指し示す内容ですが、どう考えますか?

答えは次の1か、2のどちらかですよね。

1 いろんなタイプの愛犬家
2 いろんなタイプの愛犬家に出会う

どちらも文字数はクリアです。

そこで上にも書いた指示語の基本を考えると「自分の答えを当てはめて読む」と
いうのがあります。

質問は「その」が指す内容だから「その」に自分の答えを当てはめて読むのです。

(その)なかで意外に多いのが・・・

この(その)に答えを代入すると次のようになります。

1 (いろんなタイプの愛犬家)なかで意外に多いのが・・・
2 (いろんなタイプの愛犬家に出会う)なかで意外に多いのが・・・

⇒2のほうが自然ですよね。

1だと「愛犬家なかで」となっています。
だから答えは2だろうと思うのですが、実は正しくは1なのです。

これを2だと考えるということは指示語の基本が身についているということなので
それはそれでいいことなのですよ。

では、どうして1が適当だといえるのか。

そもそも間違えやすい原因は「その」という言葉にあって、この言葉は今でこそ
「その」で一語(連体詞)としてあつかわれていますが、高校生ならわかるように、

もともとこれは「そ」(代名詞)と「の」(助詞)の二語だったのです。

だからまぎらわしいのです。

「そのなか」とあるとき、これは「(そ)のなか」となって、「そ」だけが指す
ものがあるのです。

この「そ」は名詞です。

だから、たとえば

「彼はその中に入った」とあれば
何の中にはいったのだと思いますか?

→ (押し入れ)の中
(冷蔵庫)の中

「部屋のカギはその中にあるよ」といったら
「その中」とはどこだと思いますか?

→(箱)のなか
(引き出し)のなか

これらの答えである「押し入れ」「冷蔵庫」「箱」「引き出し」はすべて名詞です。

このように「(そ)のなか」とあるとき、これは「(名詞)のなか」ということで、
答案は名詞でおわるべきなのです。

だから上の答案2

2 (いろんなタイプの愛犬家に出会う)なかで意外に多いのが・・・

のように「・・・出会う」と動詞で答案が終わることにはならないのです。

と、このように文法的に考えるのは難しいという人もいるでしょうね。

そういう人は「そのなか」といわれたら、「○○○のなか」と考えて、この○○○
の部分だけを答えると覚えたほうがいいかもしれませんね。