★答案分析コメント例

2020年10月20日

《答案分析》

テスト結果

答案分析とは、簡単にいうと
お送りいただいた模試や過去問の答案について
私がコメントするものです。
(知識分野は省きます)

出来てほしい問題や、出来ないといけない問題、
あるいは出来なくてもかまわない問題などを指摘して
今後克服していくべき点を洗い出します。

次に、中学3年生の受講生にお送りした答案分析の一部をコピペします。
本文を読んでいないとわかりにくいとは思いますが、だいたいこんなものだと
お考えください。

【 ここから 】

答案分析コメント例1(中2)

<大問5>

これは二つ間違えていますが、どちらもできてほしい問題です。

とくに問3は絶対にできないといけません。
おそらくこれは問いをちゃんと読まなかったのでしょうね。

問いには「この時から・・・」とあります。
つまり、傍線部2の部分より後の母親の気持ちの変化を聞いているのです。

まずここでは電車が通過する前の緊張状態ですよね。
不安といってもいいでしょう。
ですから、最初は「不安」か「緊張」のどちらかだということはわかりますが
まだどちらなのかはっきりとはわかりません。

そして次に「母」について書かれているところをさがすとあと2カ所しかないのです

一つめが本文終わりから13行目「母が、ほうっと息を抜いた」という表現です
これは「ほっとした=安堵」だとわかります。

そして二つめ(最後)は本文終わりから10行目「大笑いに笑った」です。
これは「歓喜」、あるいは「陽気(に笑った)」ということでしょうね。

と考えたら選ぶ選択肢は簡単だと思うのです。
 
 1 「不安」か「緊張」
    ↓
 2 安堵
    ↓
 3 「歓喜」か「陽気」

このような順になっている選択肢は一つしかありません。

最後に問6。

これももっとふつうに考えればいいのにと思ってしまいました。
問題には次のようにあります。

  ストロボの真昼ような一瞬の(        )と思った。

この(  )に言葉をいれる問題ですが
まず本文で「一瞬の」という表現がどこにあるかを探して
それを手がかりとして本文のどのあたりの表現をつかって答えを作れば
いいのかを考えます。

そうすると本文(最後のページ)には

  真昼のような一瞬の閃光の中で・・・

とありますから、これをそのままつかいます。

そのあとの本文には「電車はそのまま止まってしまったように見えた」とあり
これをそのまま使うのかどうかちょっと考えるかもしれませんが
これをつかわないとその前の「真昼のような一瞬の閃光の中で」どうだったのかが
わからないので、これを使うしかありません。

そして問いには「電車」「一生」ということばを必ず使うよう指示があるので
本文にある「電車はそのまま止まってしまったように見えた」という表現をつかうと
「電車」ということばは使ったことになります。

ではもう一つの「一生」という言葉が本文のどこにあるかを見ると
「一瞬の閃光の中で」の2行前に「僕は一生忘れない」とありますから
ここを使えばいいとわかります。

ただし、「一生忘れない」といっても何を忘れないのかわからないので
本文をみると「都電の姿を(一生忘れない)」とあります。

この「都電」ということばを「電車」に置き換えて
さっき見たように「そのまま止まってしまったように見えた電車の姿を一生忘れない」
としたらいいですよね

まとめると

 ストロボの真昼ような一瞬の閃光の中で、
 そのまま止まってしまったように見えた電車の姿を一生忘れない
 と思った。

とすればできあがりです。

そんなにむずかしい問題ではないのでこれもできてほしい問題です。

<ここまで>

答案分析コメント例2(中3)

たしかに今回の答案はこれまでとちがってちぐはぐな解答が目立ちますね。

<大問2 短歌>

問1 「暗闇の中で」とあるので、「夕されば」という言葉のある短歌Bを
  選んだのでしょうか?
  「夕されば」とは注にあるとおり「夕暮れになると」です。
  まだ「暗闇」ではありません。

  また問いには「鋭敏化した感覚」とあります。
  そこからも考えてほしいですね。

  Dの短歌はまったく意味がわからなかったのでしょうか?

  指先に金花虫がとまっている「けはい」がしています。
  見えていないのです。「けはい」だけです。
  暗闇だから見えていないのです。
  虫のとまっている指先に神経は集中しています。
  そういうことを感じ取ってほしい短歌でした。

問2 これは問1より難しいのによくできましたね。
   
問3 この解説文はFの短歌のことだと気づいたところまではよかったのですが
   7文字でぬきだすときに「夕焼空焦げきは」で切ってしまうということが
   ありえません。
    
   短歌ですから「五・七・五・・・・」で区切って読めば

     夕焼空 焦げきはまれる 下にして・・・・・
 
   となるはずですよね。

   これで7文字を抜き出すとしたら「焦げきはまれる」しかありえません。

   後半は「氷らんとする 湖の静けさ」ですから  
   ここから6文字を抜き出すとしたら「氷らんとする」しかありえません。

   これはできてほしい問題です。

<大問3 漢文>

問1 「行い」が読めていないことにおどろきました。
   むずかしく考えすぎたのでしょうか?
   ふつうに読むだけだったら小学生でも読めますよね。
   それで正解なのに。
  
問4(1) これはできてほしいですね。
    「言を務めて、行ひを緩くする」とは「言葉ばかり多くて、実行しない」
    つまり「有言不実行」タイプはだめだということですよね。

  (2)漢文の後半だけで書こうとしているために
   むりやり文を長くしていて意味のわからない答案になっていますね
   前半をいれればよかったのですが。

<大問4>

問3 「頭ごなし」の意味を知らなかったのでしょうか?
   しっていたらできない問題ではないと思います。

問4 まず「ウ」を選ぶということはありえません。
   克久は母親の意図するところはまだ理解していないのだから。

   そこから選択肢アの「母の言葉の真意がわからなくて・・・」というのが
   正解だと気づきます。

<大問5>

問6 これは空欄になっていますが時間がなかったのでしょうか?

   こういう問題は問いの空欄部分の前後と同じことばを
   さがせばそこに答えが書かれているので簡単ですよね。

  問いには「働きかけるものであると同時に、・・・・・」とありますが
  本文では第9段落終わりから3行目に「とともに」とあります。

    ・・・とともに(傷つけてはいけないもの)
   =・・・と同時に(        )

  ですから簡単に答えは見つかります

 (2)これも時間不足でしょうか・
  これは10段落をまとめればいいと気づけば何にも書けないという
  問題ではないと思いますよ。

今回は以上です。

やはりできてほしいという問題をいくつか落としていますね

受験では難しい問題はできなくていいので
簡単な問題はきっちりと得点していってくださいね。

最後の最後までがんばってくださいね!

まだまだあります。次の青いバーをクリックしてください。

お待たせしました、答案分析です。

今回もなかなかの高得点ですね。

ただ、答案用紙をざっと見た感じでは最初の漢字と文法で
5点落としたのが痛い。
これだけで130点に乗っていたのに。

文章問題はほとんど正解なのであまりコメントもありませんが
まちがえたところだけを見ていきますね。

<大問3>

問4B これはまちがえやすいでしょうね。

100点

 野木の誘いはくだらないと思って断ったとつい思ってしまうのですが、本文には「くだらない」と思っていることがわかる表現がないのです。

 正しくは四谷の解説をみればわかると思いますが
 ここでは「ウ」の「くだらない」が間違えている理由を書くと、
 ずばり「くだらない」とは思っていないからです。
 
 だって、家に帰って自分でそれをやってみるのでしょ?
 「くだらない」と思っているのだったら自分でやることもないですよね。

 そこからして「くだらない」はちがっているとわかるのです。

問8 くじのどと性格・・・

  と意味のわからないことを書いていますね。
 
  これももったいない!

この2つはできない問題ではないですね。

<大問4>

問3 これは大切ですよ。
 
 選択肢の吟味はすこしずつ区切って、その部分が適当かどうかを
 考えてください。

  選択肢エには

  当時は何も考えていなくて、あらゆることに「いいじゃん別に」と
  言うのが口癖になっていたから

 とありますが、これを少しずつわけると

  1 当時は何も考えていなかった
  2 あらゆることに「いいじゃん別に」と言っていた。
  3 それが口癖になっていた。

 まず3は本文49行目に書かれているからOKです。

 では1や2はどうでしょう?
 
 これは明らかに違っていますよ。

この答えは選択肢ウです。
 
   フケツとは感じないものに対してフケツだと言うのは
   どこかおかしいような気がしたから

 ここにあるとおり、「僕」はフケツとは感じないものに対してフケツだと言うのは
 どこかおかしいと思っていたのです。
 それは本文40~43行目あたりに書かれています。

 ただ、本文39行目をみると
  
  そんな思慮深さが当時の自分にあったとは思えません

 とあるので、ここに着目して「考えていなかったのだろう」と思ったのだったら
 それは理解できないこともありません。

 ただ「思慮深く」はないかもしれませんが、
 かといって「何も考えていなかった」というのは言い過ぎです。

 深くは考えていなくてもなんとなくはそんなことを考えていた
 ということですから。

 最後に上の1~3のうちの2ですが、これはあきらかにちがっていますよ。
 ここだけを見て、エはちがうとわかります。
 
  あらゆることに「いいじゃん別に」と言っていた。

 とありますが、本文49行目あたりには
 
   自分の中でよく分からないことに対して「いいじゃん別に」と
   答える癖があった
 
 とあります

 ちゃんと「自分の中でよく分からないことに対して」と書いてくれています。
 「あらゆることに対して」ではないのです。

 ここは明らかにバツでしょ?

 「あらゆるもの」というのは100%ということですが
 選択肢問題ではゼロか100かはたいていの場合
 バツになります。

 たとえば、「こんなことは絶対にない。100%ない!」と言い切ったような文です。
 
 このようなとき、たいてい本文には「こんなことはほとんどない」のように
 すこし「ゆるい」書き方をしているものです。

 特に日本語はイエス・ノーをはっきり言うことをきらい
 すこしあいまいな部分を残すような文が好まれます。

 このことはしっかり頭に入れておいてくださいね。

 
問8 以前のメールに

 算数の問題で「バスから降りたのは何ですか?」という質問があったら
 どうこたえますか。

と書いたつもりで今、いつのメールだったから探したのですが見つかりませでした。

きっと他の生徒と勘違いしているのでしょうね。

では、ここに書いてみますね。

  8人が乗車しているバスが、ある停留所で止まり、
  新たに5人が乗ってきました。
  動き出したあとの乗客を数えると10人でした
  さて、停留所で降りた人は何人でしょう?

算数でこの質問があったらどう答えますか?

 答え:停留所で降りた人は3人です。

と書きますか?

そんなことないでしょ?

ただ「3人」と書くだけでしょ?

この問8もそれと同じです。

 この林間学校の体験以降どう変わったと思われますか

という質問に対して

  この林間学校の体験以降、(こう)変わった。

とわざわざ質問と同じことを繰り返す必要はないし
むしろ繰り返してはいけません。

 「3人」と答えるのと同じように
 「こう変わった」とだけ書けばいいのです。

それともう一つ。

今回書いている「・・・・決めつけてはいけないと思うようになった」
というのは答案として弱いのです。
「・・・・決めつけてはいけない」という否定表現で終わっているところが。

たとえば、ある人が友だちにききました。

 これ何だと思う?

 教えようか。
 消しゴムではありません

この「消しゴムではありません」は確かにその通りで
まちがってはいないけど、答えとしては弱いでしょ?
 
消しゴムではなかったら、ではそれはいったい何なのか
というところまではっきり言ってあげないといけません。

今回の答案でも

 ・・・・決めつけてはいけないと思うようになったのだったら
 では、どうすることが大切だと思うようになったのか。

とか、そういう点まで書く必要があるのです。

本文では最後に

 、「バリア」と簡単に断絶しないことで成立する対話の形を初めて体感した。

というようなことが書かれています。

この「バリアと簡単に断絶しない」というのが「見た目だけで決めつけない」
ということでしょ?

だから

  見た目だけで決めつけないでどうするのか

これを書かないといけないのです。

とすると本文には「対話」という言葉があるので
これがキーワードとなります。

これをつかって「対話することが大切だと思うようになった」などと
書けたら完ぺきでした。

くりかえしますが、問8では
 
 1 質問に書かれていることをくりかえして書かない。

 2 答案は否定形でおわらず、だったらどうなのかという
   肯定(こうてい)形で終わる。

この2点で失敗していました。

今後、注意してくださいね

最後に問9ですが、これはちゃんと「合わないもの」を選んで
間違えたのでしょうか?

それによってコメントすることがまったく変わってくるので、
くわしくは省きますが、選択肢エにある

 女の子との対話を通して人がらを知れた

というのは明らかにちがっているとわかるのではないでしょうか?

だって、この女の子とは一言、二言しか会話を交わしていないでしょ?
それもごく短いことばで。

それなのに「その対話を通して女の子の人がらを知った」とはいえないですよね。

これもできてほしい問題でした。

今回は以上です。

とってもよくできた答案ですばらしいのですが
さらに上を目指すなら、140点も不可能ではない問題ですね。

次回はさらにがんばりましょう!

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Posted by 野田眞吾